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東京五輪の馬術で虐待…なぜか虐待した人よりルール叩きに

■2021/08/18 東京五輪の馬術で虐待…なぜか虐待した人よりルール叩きに
■2021/10/23 日本の五輪馬術で唯一の金メダル西竹一は持ち馬のウラヌスで優勝


■2021/08/18 東京五輪の馬術で虐待…なぜか虐待した人よりルール叩きに

 東京五輪の近代五種女子の馬術で2021年8月6日、ドイツのアニカ・シュロイの騎乗した馬が障害の飛越を拒否した際にライスナーコーチが「馬を叩け」と指示し、コーチが自らの拳で一度、殴っている様子が映像によって記録されていました。騎乗したシュロイも殴りましたたが、戸惑い涙を流していました。
 国際近代五種連合(UIPM)は7日に映像で確認したところ「拳で馬を殴っているように見える」と判断され、ルール違反であるとして追放処分を下しています。

 シュロイは、「私は(殴ることを)試してみたが、馬が行きたがらなかった。それで泣いてしまった」とコメント。金メダル候補であったらしいのですが、動かない馬に動揺している様子が見て取れたとも伝えられています。
 一方、追放処分を受けたライスナーは「私は叩けと言いました。しかし、それは決して馬を傷つけるものではありません。鞭で叩くことは拷問とはみなされていない。馬の口が裂けてはいないし、鋭いもので刺したわけではない」と弁解していたそうです。
(東京五輪「馬への虐待行為」で海外SNSが大炎上…近代五種女子でドイツコーチが障害を跳ばない馬を殴って追放処分 8/8(日) 10:26配信 THE PAGEより)
https://news.yahoo.co.jp/articles/922760907074a018185f7374a536aa9a0c745039

 ただ、問題は競技ルールにも及んでいて、ヤフーニュースのコメント欄は虐待ではなく、ルールを責めるものが上位になっていました。
 記事のルール説明によると、選手は、抽選で選ばれた馬を与えられ、競技が始まる前に馬との絆を作るために与えられる時間はたった20分だけだとのこと。これは私も驚き。確か過去の大会では、自分の馬で飛んでいたはず。日本でも有名な馬がいました。これは今度追記したいですね。
 また、今回騎乗したセイントボーイという馬はシュロイの前にもロシア選手のジャンプを拒否しており、ドイツの近代五種連合によるとシュロイのラウンドの前から前の選手の影響でトラウマになっていたともされていました。

 SNSでは「選んだ馬との絆を深める時間はわずかしかなく、選手は馬を道具としか見なくなり、そして馬を酷使するようになる」などとコメント。ドイツオリンピックスポーツ連盟もルール変更の可能性についてコメントしています。
 ヤフーでは、「むしろ自分が調教した馬を使えないという競技ルールの方に問題があるのでは」といったものが人気していました。虐待よりルールが問題といった勢いです。

 しかし、問題点がずれてきてしまった感じはありますね。まず、ルールがどうであれ、馬への虐待は認められません。「虐待よりルールが問題」というのはあり得ず、あり得るのは「虐待は当然問題だけどルールも問題」といったものでしょう。
 また、「自分の馬を使えない」というのもルールとしてある意味公平性があり、考え方としてはアリだろうということ。例えば、競艇なんかではボートは抽選ですよね。良い馬を持っている人が勝ちやすい…というのは不公平だとも考えられるのです。
 さらに、馬は他の種目で使う「道具」とは異なり、たいへん高価。自前で用意するのはたいへんですし、輸送にも高額の費用が必要になります。金持ちだけが勝てる競技にしないようにするというのは、考え方としてはアリでしょう。
 輸送の関係があるので、今大会も日本の馬を中心に使ったんじゃないですかね。名前のセンス的に日本っぽかったセイントボーイを検索してみると、やはり水口乗馬クラブという日本の馬っぽいです。サラブレッドではなく、ウォームブラッドという品種でフランス生まれだそうです。

 ということで、現行ルールの思想も理解できます。とはいえ、良い馬の購入から普段の馬の調教まで含めて競う…という考え方ももちろんアリですよ。前述の通り、過去にはそういうルールでやっていたはずですし、競馬の世界なんかは今でもそういう考え方。大金持ちが圧倒的に強い世界です。
 とりあえず、馬を持ち込みにする、馬と触れ合う時間を増やす…などといったルール改正はアリだと思いますが、「虐待よりルールが問題」というのはあり得ないので、問題点を見間違えないようにしてほしいです。


■2021/10/23 日本の五輪馬術で唯一の金メダル西竹一は持ち馬のウラヌスで優勝

 最初のときに書いていた「確か過去の大会では、自分の馬で飛んでいたはず。日本でも有名な馬がいました」で想定していたのは、バロン西こと西竹一さんのウラヌスという馬です。
 Wikipediaによると、西 竹一さんは、日本の陸軍軍人。1932年ロサンゼルスオリンピック馬術障害飛越競技の金メダリストです。このときの相棒がウラヌスなのですが、ウラヌスはロサンゼルスオリンピック側で用意した馬ではなく、以前より西竹一さんが乗っていた馬でした。

<1930年(昭和5年)に、出場が決まったロサンゼルスオリンピックのために半年間の休養を取り、アメリカ合衆国とヨーロッパへ向かった。この際にヨーロッパへ向かう船内で当時の世界的スターのダグラス・フェアバンクスとメアリー・ピックフォード夫妻と親交を持った。
 3月に西はイタリアにて、後に終生の友とも言うべき存在となる愛馬ウラヌス(ウラヌス号)との運命的な出会いを果たす。西は6,500伊リラ(当時の換算レートで、6,500伊リラ=100英ポンド=1,000日本円)でウラヌスを自費購入した。西はウラヌスと共にヨーロッパ各地の馬術大会に参加し、数々の好成績を残す>

 1,000円と聞くと安く感じますが、1930年(昭和5年)ですからね。検索してみると、前年の昭和4年の銀行員の初任給が70円。現在はむしろ銀行員の初任給は抑えられているらしいのですが、198,000円が多いとのことです。これをベースにすると、当時の1円は2830円ということになります。そして、当時の1000円はこの1000倍ですから283万円。意外に安いですね。
 Wikipediaでは、この部分に<世界大会での使用に耐え得る一流の馬術競技馬は、少なくとも現代においては億円単位の値段が付けられるほどの高い価値を持つ存在である>という注釈がついています。私は最初「今で言う億単位」という意味だと思ったのですが、計算すると思いのほか安くなってしまったので、「考えられないほど安く買えた」という意味かもしれません。

 その後のウラヌスですが、前述の通り、1932年(昭和7年)のロサンゼルスオリンピックで活躍。西はあざやかな手綱さばきでウラヌスを駆って馬術大障害飛越競技にて優勝し、金メダリストに。これは、日本勢がオリンピック馬術競技でメダルを獲得した唯一の記録となっています。
 最後の障害でウラヌス自身が自ら後足を横に捻ってクリアしたこともあり、インタビューでは「We won.」(「我々(自分とウラヌス)は勝った」)と応じていたとのこと。ウラヌスはすごい馬だったみたいですね。

 一方、西は1936年(昭和11年)のベルリンオリンピックにも参加していますが、ウラヌスと臨んだ障害飛越競技では競技中落馬し棄権。オリンピック数ヵ月後の同年11月には日独防共協定が締結されていることから、この意外な落馬には主催国ドイツの選手に金メダルを譲るために西が計った便宜ではなかったかという憶測が当時から流れていたといいます。忖度が疑われているようです。
 なお、西は同大会では元競走馬のアスコットと共に総合馬術競技にも出場し、12位となっていったとのこと。別の相棒もいたんですね。また、ウラヌスについては、他に以下のような逸話がありました。

<馬事公苑で余生を過していたウラヌスに会いに行き、ウラヌスは西の足音を聞いて狂喜して、馬が最大の愛情を示す態度である、首を摺り寄せ、愛咬をしてきたという>
<生前の西は「自分を理解してくれる人は少なかったが、ウラヌスだけは自分を分かってくれた」と語っていた。なおウラヌスは体高(肩までの高さ)が181cmもある大きな馬体。性格はかなり激しかったらしく、西以外は誰も乗りこなせなかったという>

 この西竹一ですが、寿命が短い馬のウラヌスよりわずかに早く亡くなっています。太平洋戦争での戦死です。太平洋戦争開戦の経緯を考えると、本来なら死ななくて良かった方だったでしょう。

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